自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループが29日発表した2020年第1四半期(1~3月)決算の営業利益(特別費計上前)は9億ユーロとなり、前年同期の48億ユーロから81.4%減少した。新型コロナウイルスの感染拡大が響いた格好。第2四半期(4~6月)は新型コロナ危機が一段と深刻化していることから、同社は赤字転落を見込んでいる。
第1四半期は新型コロナの影響で販売台数が23.0%減の200万台へと落ち込んだ。売上高は8.3%減の551億ユーロへと低下。売上高営業利益率は前年同期の8.1%から1.6%へと縮小した。
原料の先物取引損と為替差損の影響もあり、税引き前利益は前年同期の41億ユーロから7億ユーロへと縮小した。
フランク・ヴィッター取締役(財務担当)によると、業績は第2四半期に底を打ち、その後は徐々に回復する見通し。20年12月期は販売台数と売上高、営業利益が前期を大きく割り込むものの、営業損益の赤字化は回避できると予想している。