欧州委員会が4月29日に発表したユーロ圏の同月の景況感指数(ESI、標準値100)は67.0となり、前月の94.2から27.2ポイント低下した。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が停滞していることを受け、景況感の悪化が加速。1カ月の下げ幅としては、すでに新型コロナ危機の影響が出ていた3月を上回り、同指数が導入された1985年以降で最大となった。
ESIはリーマンショックで揺れた09年3月に史上最低を記録した。4月は同水準を上回ったものの、それに近いレベルまで低下した。
分野別ではサービス業が32.7ポイント低下と、過去最大の落ち込みとなった。その他も製造業が19.2ポイント、消費者が11.1ポイント、小売業が19.7ポイント、建設業が15.1ポイントの低下となり、下げ幅は前月から大きく膨らんだ。
EUのESIは前月を28.8ポイント下回る65.8。主要国はドイツが19.9ポイント、フランスが16.3ポイント、スペインが26.0ポイントの幅で低下した。イタリアは新型コロナ対策で厳しい外出制限などが導入されていたため、聞き取り調査を実施できず、データがない。このため、実際のユーロ圏とEUの景況感が、公表値より悪化しているのが確実な状況だ。