新形コロナウイルスの流行を受け、チェコの消費者の購買行動に変化が表れている。現地紙『e15』がこのほど報じたところによると、3月中旬に政府が緊急事態宣言を出して以来、現金自動預け払い機(ATM)からの現金の引き出し回数が50%近く減少した。一方で電子決済が大きく増加した模様だ。
同国の最大手銀行CSOBによると、4月のATMからの現金の引き出し回数は47%減少した。現金の引き出し額も減っており、チェスカ・スポリテルナ銀行では44%減となった。4月の第1週は35億コルナ(1億2,890万ユーロ)で、緊急事態宣言が発出される前の1週間の引き出し額63億コルナから大きく減少した。消費者は電子決済の利用を増やした模様で、同国のコメルチニーバンクによると、実店舗の営業が制限されて以来オンライン上でのカード払いが14%増加した。
CSOB内では電子取引の頻度が過去最大の伸びを示した。同行はコロナウイルスの流行により電子決済への移行が促進されたとの見方だ。VISAヨーロッパによると、非現金決済全体に占めるネット決済の割合が倍増した一方で、実店舗でのカード払いの頻度が減少した。
チェコ銀行カード連盟のコトラン会長は今後、若年層のみならずネット決済に抵抗のある中年層にも徐々に浸透していくだろうと述べた。非現金決済が増えているのは衛生上の理由から店舗が現金支払いを拒否しているのも理由だとしている。(1CZK=4.27JPY)