ポーランド中央銀行は5月28日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を0.4ポイント引き下げ、史上最低の0.1%に設定した。利下げは3会合連続。新型コロナウイルス流行の影響に苦しむ経済を支えるため予想外の追加利下げに踏み切った。ロンバート金利は1%から0.5%に、公定歩合(再割引率)は0.55%から0.11%にそれぞれ引き下げた。預金金利は0%で据え置いた。
同国の1-3月期(第1四半期)の国内総生産(GDP)伸び率は2%となり、前期の3.2%から1.2ポイント低下した。中銀は4月について、複数の指標は経済活動の大幅な鈍化と賃金の低下、雇用削減、景況感の悪化を示していると指摘。GDPが4-6月期(第2四半期)に縮小するのは避けられないとの見方を示した。ロイター通信がエコノミストを対象に実施したアンケート調査では、縮小幅の予想平均が9.1%に上っている。
中銀は利下げと並行してポーランド国債の購入も継続し、銀行の流動性を支援する。中銀は声明で「追加の金融緩和により経済のダメージを和らげ、家計や企業をサポートする」と述べ、コロナ危機による経済への悪影響を最小限に食い止める姿勢を示した。
中銀は3月中旬、コロナウイルスの感染拡大を受けて5年ぶりの利下げを実施し、政策金利を1.5%から1%に引き下げた。これまでの利下げ幅の合計は1.4ポイントに上る。