ロシア極東のチュコト半島沖でこのほど、世界初となる洋上原子力発電所「アカデミク・ロモノソフ」が定期稼働を開始した。運営するロシア原子力公社(ロスアトム)によると、同原発は全長144メートルの船上に2つの原子炉を搭載したもので、原子炉の出力は各35メガワット(合計70メガワット)。サンクトペテルブルクのバルチック造船所で建造され、2010年6月に進水式が実施されていた。
アカデミク・ロモノソフは北極圏のムルマンスク港で燃料棒を装填した後、昨年末には極東チュコト半島の北極海沿岸の町ペベクで送電網と接続され、発電や加熱プロセスの試運転を開始していた。同原発船は同地域に電力を供給してきたビリビノ原発を代替する電力源となることが予定されている。
ロスアトムは北極圏と極東地方の沿岸に洋上原発をさらに設置する計画で、新たに最大100メガワットの発電容量を持つモデルも開発していく予定だ。