仏自動車部品大手のプラスチック・オムニウム(PO)は11日、オランダの大型車両メーカーVDLからトラック用水素タンクの開発・製造を受注したと発表した。2021年までにVDLが欧州プロジェクト「H2 HAUL(Hydrogen Fuel Cell Trucks for Heavy Duty Zero Emission Logistics)」の一環として製造するトラック向けに水素タンクを供給する。
H2 HAULは、道路輸送分野における水素ベースのゼロエミッション・モビリティソリューションの開発に取り組むプロジェクト。欧州委員会の資金支援を受けており、15のパートナーが参加している。
同プロジェクトでは、3タイプの新しい水素トラックを開発するほか、水素供給インフラの強化に取り組む。VDLはトラック4台を2021年に供給する計画。VDLが製造するトラックは、水素タンク7本を搭載し、水素40キログラム(圧力350バール)を貯蔵することができる。
POはこれまでに、ドイツメーカーから2019年後半に350バールのバス用水素タンクを受注した実績がある。また、350バールと750バールの高圧タンクで認証を得ている。
POはさらに、欧州連合(EU)がこのほど設立した「欧州クリーン水素連合」に加盟している。同連合は、2050年までにEU域内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする気候中立を実現するための戦略の一環として位置づけられる。