ハンガリー・ベラルーシ首脳会談、提携強化で合意

ハンガリーのオルバン首相とベラルーシのルカシェンコ大統領は5日に開いた首脳会談で、両国間の提携強化で一致したと発表した。貿易拡大や両国企業間の協力の支援など、経済分野の課題に加え、欧州連合(EU)とベラルーシの関係正常化、原子力エネルギーの利用継続といった政治的問題でも協力していく方針だ。ハンガリー首相府によると、ハンガリー首相がベラルーシを公式訪問したのはこれが初めて。

オルバン首相とルカシェンコ大統領は、2~3年以内に貿易高を5億ユーロに引き上げることで合意した。ハンガリー輸出入銀行が両国企業間の提携支援に向けて4,000万ユーロの融資枠を設定する。

ベラルーシ側は提携分野として建設、医薬品、原子力エネルギーを重視している。また、電動バスの設計・生産でも提携に積極的で、ベラルーシの持つ研究開発の成果をハンガリーと共有する用意があるとした。現在、ベラルーシの対ハンガリー貿易では輸入額の半分を医薬品が、輸出の半分を鉄道車両・部品が占めている。

ハンガリーは人的交流の一環として、ベラルーシからの留学生を対象に奨学金を導入し、年50人を受け入れる方針だ。また、格安航空(LCC)のウィズエアーが近く両国を結ぶ定期運航路線を就航させることになっている。

オルバン首相は、EUの対ベラルーシ制裁について完全解除を支持する姿勢を明確にした。ベラルーシの加盟するユーラシア経済連合(EEU)とEUとの提携を進めるために必要と説明した。

一方、ルカシェンコ大統領はハンガリーを「EU加盟国中もっとも親しい国」と評価し、「ベラルーシ・EU外交が近年、実利重視に転換してきたのは、ハンガリーの存在があったからこそ」と両国関係の意義を強調した。

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