トルコのA&Sインベストメント・ホールディングがコロナ危機を受けて設立した防護具メーカー、グローバル・マスクが、「洋上工場」を整備している。景気後退による船舶価格の下落に着目し、製品の輸送にかかる時間を短縮するため、航行中に船上で生産することを思いついた。自動車運搬船3隻を6億リラ(8,890万米ドル)で購入し、イスタンブール郊外のトゥズラ造船所で改装中だ。
A&Sのアックシュ社長によると、1隻につき生産設備を100台設置すれば、地上に工場を設置するよりも早く、かつ安価に生産できるという。米国からの受注は1件当たり1億~1億5,000枚に上るが、1億枚を作るには2週間、さらにトルコから米国へ船で渡るには1カ月かかる。この時間的ロスをなくすために船を工場として使うことにした。
「洋上工場」第1号の竣工は今月末の予定で、1週間おきに第2号、第3号が進水する。事業計画によれば、アメリカ大陸への輸送1回あたりで少なくともマスク5億枚、防護服1,000万着を供給する。現地の許可が得られれば港に停泊して生産を続けることも視野に入れている。(1TRY=16.06JPY)