ポーランド兵がチェコに「侵入」

ポーランド軍の兵士が国境地帯にあるチェコの礼拝堂を一時占拠していたことが判明し、インターネットを騒がせている。チェコ当局が介入して「撤退」となったが、なぜポーランド兵が入ってきたのか、詳しい理由は明らかになっていない。

騒動の舞台となったのは両国国境にまたがるチェシン地方だ。第1次世界大戦後にポーランドとチェコスロバキアの間で分割されたが、1938年のミュンヘン協定後にポーランド軍が占領した経緯がある。第2次大戦後に国境線が元に戻され、今日に至る。

問題の礼拝堂は国境となっているオルシェ川(ポーランド語:オルザ川)からチェコ領に入って30メートルのところにある。5月28日に礼拝堂の修復にあたっているエンジニアが壁の写真を撮ろうとしたが、機関銃を持ったポーランド兵に阻まれて追い返されたという。情報を聞きつけた地元新聞社が試しにカメラマンを送ったところ、エンジニアと同じように追い払われた。

ポーランド兵士らは新型コロナ流行で閉鎖された国境を警備する目的で配置されていたが、何らかの理由でチェコ国境に「侵入」し、礼拝堂で数日を過ごしたらしい。6月最初の土日にも、地元の自然愛好家がグループで見学を予定していることをポーランド兵に説明しようと礼拝堂に向かったが、その場を離れるよう「命令」されたという。この時点で地元の警察が通報を受けてポーランド兵に「撤退命令」を出した。

ポーランド防衛省はチェコ外務省に対し、「誤解」によるものと説明したが、誰が何をどのように誤解したのかはいまだ不明だ。外務省は「正式な説明を待っているところ」とコメントしている。

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