クロアチア石油大手のINAは6月23日、自社のバイオエタノール生産プロジェクトを戦略投資と認定するよう政府に要請したと発表した。認定を受けることで、手続きの迅速化を図るとともに、投資総額2億2,500万ユーロのプロジェクトに政府と欧州連合(EU)から支援を取りつける狙いがある。
INAはグループ戦略「ダウンストリーム2023」のもと、製油事業をリエカ製油所に集約し、シサク製油所をビチューメン生産・物流拠点に転換する計画だ。この一環として、農産物の収穫時に発生する茎葉や野菜くず(農業残渣)、ススキなどを原料とするセルロース系バイオ燃料プラント設置が検討されている。
具体的には、仏アクセンスの「Futurol」技術を導入し、年間5万5,000トン(7,000万リットル)の生産能力を整備する方針で、今年2月に同社とライセンス契約および基本設計契約を交わした。また、1月にはベルギーのデスメット(DSEC)に、プラント以外の部分(OSBL)の基本設計を発注している。
INAは昨年9月、ススキを原料とするバイオ燃料生産実験を完了し、採算性があることを確認した。先月17日には、バイオ燃料プラントの原料確保に向けたコストが5,000万ユーロに上るという推算を発表した。これにはススキの栽培費用も含まれている。