リトアニア銀行(中央銀行)が独自の仮想通貨を発行する。「LBCOINs」と呼ばれるもので、中央銀行による仮想通貨の発行はユーロ圏初の試みだ。当初はデジタルトークン(証票)2万4,000単位を発行し、今月半ばに先行販売を開始する。
同行のユルギラス副総裁によると、LBCOINsは従来の通貨をデジタル化した中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)に類似したもので、発行と管理は中央銀行が行う。ブロックチェーン技術に基づくものだが、ビットコインなどの複雑な暗号通貨とは異なるものとなる見通し。
同副総裁は、暗号通貨が従来の通貨システムを侵食する懸念を念頭に、「外部組織が中央銀行の地位を占めることになれば正当性に対する脅威になる」と指摘。中銀には「社会が望むもの」を提供する義務があると述べ、中銀が管理運用することで仮想通貨に正当性を持たせる考えを示した。
新型コロナウイルスの流行を受けて非現金決済が拡大する中、各国中銀は物理的取引を伴わないCBDCの開発を加速させている。