米系の不動産サービス企業クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)が先ごろ公表した最新の「グローバル製造業リスクインデックス(MRI)」レポートで、チェコが中国、米国、インドに次ぐ世界4位、欧州で1位の評価を受けた。低リスク、地の利、低コストが高評価につながった。今回、一般評価とは別に分析された「コロナ危機からの回復力」でも比較的良い評価を得た。
チェコは分析対象となった2016年以来、生産拠点に適した国として高位にランクインしてきた。C&Wのパートナーであるフロビル氏はチェコの長所として、◇欧州の中心に位置する地の利◇運輸インフラが良好◇ビジネス・経済・政治環境の成熟度◇リスクの小ささ◇労働・エネルギー・建設コストが比較的低い――といった点を挙げている。リスクランキングでは、前年の4位から7位に下がったものの、4位のドイツに次いで欧州では2位につけている。
今回のMRIレポートは新型コロナウイルス流行を受けて、危機からの回復力にも焦点を当てた。ランキングリストの国々を上位から最下位まで4分の1ずつに分けた場合、チェコは上から2番目のグループに分類され、ポーランドやハンガリーよりも高く評価された。チェコと同じグループにはカナダ、米国、オーストリア、英国、スウェーデンなども含まれる。
フロビル氏は、「コロナ危機がグローバル供給網の秘めるリスクを明確にしたのは確かだが、これを受けてアジアでの生産を欧州へ移転するという大きな動きはない。ただ、実際に欧州への移転を検討する企業にとっては、チェコが魅力的な国であることは確かだ」と話した。