ポーランド、リトアニア、ウクライナが提携強化で合意

ポーランド、リトアニア、ウクライナの外相は7月28日、ポーランド東部のルブリンで会談し、3カ国間の提携の枠組み「ルブリン・トライアングル」を創設することで合意した。3カ国と欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)との関係強化も目標として掲げる。提携の重点としては安全保障、経済、政治分野を挙げている。新型コロナへの対応でも足並みをそろえていく方針だ。

提携の狙いに「EU、NATOとの関係強化」が含まれたことで、ポーランドとリトアニアがウクライナの両機関加盟を強く支援する立場にあることが、改めて明確になった。また、三国は共同宣言で地域における安全保障上の懸念に触れ、ロシアがウクライナ東部を「不当に侵略」していると非難。ロシアに対し、ウクライナの国境・領土を尊重するよう求めた。

ウクライナのクレバ外相は「ルブリン・トライアングル」が三国、特にウクライナの景気浮揚につながることに期待感を示した。

ポーランドのチャプトヴィッツ外相は、「コロナ対策として国境を封鎖するのは適当でないという意見がある」と述べ、流行の第2波が到来した場合に国境を封鎖しない可能性を示唆。「我々は互いに互いを必要とする世界に生きている。我々の国への旅行が制限されるような措置が回避できるよう願う」と話した。

2014年の「マイダン革命」による親ロシア政権崩壊、ロシアのクリミア半島侵攻・併合に続いて勃発したウクライナ東部紛争は、未だに確たる解決の糸口が見えないでいる。ウクライナ軍司令部によると、27日に発効したばかりの停戦合意がすでに親ロシア勢力によって破られているという。

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