バイエル、更年期障害治療薬の英社を買収

製薬大手の独バイエルは11日、更年期障害の治療薬を開発する英バイオ企業キャンディ・セラピューティクスを買収すると発表した。婦人薬分野の開発ポートフォリオ拡充が目的。独禁当局の承認を経て、買収手続きが9月までに完了すると見込んでいる。

キャンディは2017年の設立。閉経期の女性の75%が経験する顔面潮紅と寝汗の治療薬「NT-814」を開発しており、治験の中間段階の後半に当たる「フェーズ2b」をこのほど終了した。来年には治験の最終段階に当たる「フェーズ3」を開始する予定だ。

バイエルはNT-814がピーク時の売上10億ユーロ超の「ブロックバスター」になると見込んでいる。今回の買収で同社はまず頭金4億2,500万ドルを支払い、開発の進捗状況に応じて最大4億5,000万ドルを上乗せする。市場投入後は製品の売上高に応じてさらに1億ユーロ程度を支払う。

バイエルの特許薬部門は現在、堅調を保っているが、今後は稼ぎ頭の製品の特許が相次いで失効することから、2020年代には同部門の売上高が60億ユーロ以上、目減りする恐れがある。開発中の製品でその穴を埋めるのは不可能であることから、同社は提携や買収を通して開発パイプラインを補充する戦略を採用している。

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