8月乗用車新車登録20%減少、EVとHVは急増でシェア25%に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した8月の乗用車新車登録台数は25万1,044台となり、前年同月を20.0%下回った。新型コロナ危機が響いた格好。比較対象の2019年8月は水準が極めて高かったほか、営業日数も1日多かったという事情も大きい。1~8月の累計は前年同期比28.8%減の177万6,604台だった。

新車登録の足を強く引っ張ったのは内燃機関車で、8月はガソリン車が前年同月比38.8%減の11万7,897台、ディーゼル車が26.7%減の6万9,416台へと大幅に縮小した。環境対応車は好調で、購入補助金の対象となる電気自動車(EV)は221.5%増の1万6,076台、プラグインハイブリッド車(PHV)は447.9%増の1万7,095台へと急拡大した。新型コロナ危機対策で補助金額が上乗せされたことが背景にある。ハイブリッド車(HV。PHVを含む)も132.7%増の4万6,188台と3ケタ台の伸びを記録した。

動力源別のシェアをみると、ガソリン車は前年同月の61.4%から47.0%、ディーゼル車も30.2%から27.7%へと縮小した。EVは1.6%から4倍の6.4%へと拡大。PHVも1.0%から6.8%へと伸びた。HVは6.3%から約3倍の18.4%へと増えている。EVとHVの合計は24.8%で、新車全体のおよそ4分の1を占めるに至った。

環境対応車が急増し、内燃機関車が大きく後退したことから、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比11.1%減の140.1グラムへと低下した。

新車登録を部門別でみると、60.0%増となったキャンピングカーを除いてすべて減少した。キャンピングカーは新型コロナの感染を避けて旅行したいという消費者のニーズを背景に需要の拡大が続いている。

減少幅はミニバンで最も大きく、63.7%に達した。SUVは17.6%減少したものの、シェアは22.9%でトップとなった。コンパクトカーは登録台数が13.3%減、シェアが20.5%だった。

登録台数の伸び率が最も大きかったブランドはEV専門の米テスラで、453.7%増の2,846台へと急拡大した。2位はジープで40.3%増の1,999台。このほかBMW(15.2%増の2万1,549台)、日産(13.5%増の2,953台)、DS(11.9%増の244台)も2ケタ台の伸びを記録した。

BMW以外のドイツ車ではミニ(3.3%増の4,070台)が増加した。そのほかのブランドはメルセデスが3.7%減の2万7,906台、VWが16.9%減の4万3,842台、フォードが26.1%減の1万6,783台、アウディが35.0%減の1万6,405台、オペルが46.8%減の9,499台、ポルシェが49.5%減の1,712台、スマートが71.1%減の1,379台だった。

日産以外の日本車で前年同月を上回ったのはトヨタ(8.9%増の7,170台)とホンダ(1.4%増の1,060台)。レクサスは1.9%減の263台、スバルは6.1%減の434台、三菱は12.5%減の3,485台、マツダは34.1%減の3,166台、スズキは34.4%減の1,867台へと落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドではフィアット(1.0%増の7,623台)と起亜(0.5%増の6,185台)が増加。ボルボ(10.8%減の2,672台)、ルノー(12.7%減の1万1,435台)、現代(15.5%減の1万964台)、シュコダ(20.0%減の1万5,686台)、アルファロメオ(23.6%減の262台)、プジョー(25.1%減の4,746台)、シトロエン(27.9%減の4,158台)、双竜(39.0%減の183台)、セアト(40.2%減の1万907台)、ランドローバー(58.2%減の701台)、ダチア(63.9%減の4,286台)、ジャガー(69.0%減の298台)は減少した。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した8月の国内乗用車生産台数は20万3,100台で、前年同月を35%下回った。輸出台数は31%減の15万4,300台。1~8月は生産台数が前年同期比36%減の202万7,500台、輸出台数が36%減の150万7,400台だった。

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