ダイムラー―米排ガス問題で和解の本合意―

自動車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)は14日、同社のディーゼル車に排ガスを違法に操作する装置が搭載されていたとされる問題で米国の当局および集団訴訟の原告と和解合意したと発表した。和解総額は22億ドル。和解費用に関してはすでに引当金を計上している。

米国では独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正が2015年に発覚した。これをきっかけに他のメーカーにも疑惑が波及。ダイムラーに対しては乗用車、バンで排ガス不正を行っていたとして16年に集団訴訟が起こされた。

米当局との今回の合意では民事制裁金8億7,500万ドルを含め合わせて約15億ドルを支払う見通し。和解文書にはダイムラーが違法性を認めていないことが明記されており、係争は白黒の決着がつかないまま終了することになる。同社は「今回の和解により、法的・財務的なリスクを伴う法廷での長期の争いが回避される」と狙いを明らかにした。集団訴訟の原告には約7億ドルを支払う。

ダイムラーは8月の時点で、当局および集団訴訟の原告との間で和解の基本合意を結んでいた。

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