ECBの資金供給、サステナビリティ債も担保に

欧州中央銀行(ECB)は22日、ユーロ圏の銀行がECBから資金供給を受ける際に担保として認められる債券として、調達した資金の用途を環境・社会の持続可能性に貢献する事業に限定した「サステナビリティ債」を新たに加えると発表した。貢献目標の達成度に応じて利払いが変動するタイプの債券が対象となる。これらの債券を資産購入の対象とすることも決めた。2021年1月1日から実施する。

ECBはユーロ圏経済が新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい状況にあるなか、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」と呼ばれる新たな資産購入プログラムを導入するなど、量的金融緩和を拡大している。ユーロ圏の銀行がECBから資金供給を受ける際の担保となる債券の要件も一時的に緩和し、ジャンク債と呼ばれる投資不適格級の国債、社債も受け入れ始めた。

サステナビリティ債の受け入れは、ラガルド総裁が昨年の就任時に打ち出した「金融政策のグリーン化」の一環。購入する資産、担保の幅を一段と広げることで、資金供給を増やす狙いもある。

対象となるサステナビリティ債は、気候変動や貧困問題などの解決への貢献目標の達成度が利払いに連動するもので、目標を満たさなければ発行者は利払いを増やさなければならない。ECBが受け入れるのは、EUの関連ルール、または国連の持続可能な開発目標(SDGs)に盛り込まれた目標を基準とする債券に限られる。

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