ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した8月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で99.0(暫定値)となり、前月を4.5%上回った。同指数の上昇は4カ月連続。新型コロナ危機前の2月に比べると3.6%低いものの、危機からの回復は比較的、順調に進んでいるもようだ。新規受注は大型受注を除いたベースでも4.5%増えた。
新規受注を地域別でみると、ユーロ圏(ドイツを除く)は14.6%増加し、全体をけん引した。国内は1.7%増、ユーロ圏外は1.5%増だった。
部門別では中間財が4.5%増、投資財が4.7%増、消費財が4.2%増とほぼ同水準の伸びを記録した。投資財と消費財ではユーロ圏がそれぞれ20.3%増、17.9%増と大きく拡大した。
製造業最大の部門である自動車は0.9%増と小幅な伸びにとどまったものの、指数は2月の水準を0.3%上回った。機械は11.4%増と大きく拡大したものの、2月を5.8%下回っている。
製造業新規受注を特殊要因の影響が小さい2カ月単位の比較でみると、7~8月は前の期の5~6月を実質18.9%上回った。ユーロ圏外が34.0%増、ユーロ圏が28.3%増と大幅に拡大。国内も4.2%伸びた。
経済省は企業の先行き見通しなど景気の先行指標が明るさを増しているほか、操短の対象となる被用者が減っていることを指摘。製造業の景気回復は今後も続くとの見方を示唆した。