K+S―南北アメリカ塩事業を米社に売却へ―

肥料大手の独K+S(カッセル)は5日、南北アメリカ大陸で展開する塩事業を米持ち株会社ストーン・キャニオン・インダストリーズに売却する方向で交渉していることを明らかにした。メディア報道を追認した格好。交渉は極めて進展した段階にある。

K+Sは財務が悪化していることから、南北アメリカの塩事業を売却して債務を圧縮する方針を3月に打ち出した。売却益で有利子債務を現在の30億ユーロ弱から10億ユーロ未満に引き下げる考えだ。ストーン・キャニオンへの売却額は32億ドルとなる見通しで、K+Sの時価総額(14億ユーロ弱)を大幅に上回る。

K+Sは2006年にチリのSPL、09年に米国のモートン・ソルトをそれぞれ買収し南北アメリカ塩事業を構築した。世界最大の塩メーカーとなっている。同事業の売上高は15億ユーロで、K+Sの売り上げの3分の1以上を占める。

同事業を売却後すると、塩事業は欧州地域に限定され、売り上げ規模は4億ユーロへと大幅に縮小する。今後は肥料と特殊品事業に経営資源を絞り込む意向だ。

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