化学大手ヘンケルが利益率低下を予想

化学大手の独ヘンケルは9日、2020年12月期の売上高が事業の売却・買収と為替の影響を除いた実質ベースで前期を1.0-2.0%下回るとの予測を発表した。同社は業績予測を3月に示したものの、新型コロナ危機を受けて4月に撤回。年度の終わりが近づいてきたことからようやく新たな予測を提示した。営業利益(EBIT、調整済みベース)は売り上げよりも大きく落ち込むことから、売上高営業利益率は前期の16.0%から「13.0-13.5%」に低下すると見込んでいる。

新型コロナの影響は最終四半期の10-12月も受ける見通し。ただ、4-6月期(第2四半期)のような大規模なロックダウンは行われないとみており、しわ寄せは小さいとの見方だ。

同日発表した7-9月期(第3四半期)の実質売上高は約50億ユーロ(暫定値)で、前年同期を3.9%上回った。製品ポートフォリオの多様化や新製品投入のほか、コロナ禍の直撃を受けた4-6月期の反動で需要が伸びたという事情が大きい。

売り上げはすべての部門で増加した。成長率は接着剤が1.7%、ビューティケアが4.3%、洗剤・家庭用ケア用品が7.7%だった。

ヘンケルンの1-9月期の売上高は約145億ユーロで、前年同期を2.1%下回った。部門別では接着剤が6.8%、ビューティケアが4.2%減少。洗剤・家庭用ケア用品は5.8%増加した。

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