欧州医薬品庁(EMA)は6日、独バイオ医薬品会社ビオンテックが米製薬大手ファイザーと共同開発している新型コロナウイルス用ワクチンについて、試験データを順次審査する「逐次審査」を開始したと発表した。新型コロナワクチンでの逐次審査開始は、英アストラゼネカとオックスフォード大が開発中のワクチンに次ぐ2件目となる。
逐次審査は感染症の世界的流行などの緊急時に際して、必要なワクチンや治療薬の承認手続きを迅速化する仕組み。通常は臨床試験(治験)の最終データがまとまってから承認が申請され、審査を開始するが、同制度では最終的な試験結果を待たずに入手可能なデータから順次審査を進めることで、通常より短期間で審査を完了することができる。
ビオンテックとファイザーはメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナのワクチン開発を進めている。EUは9月、開発に成功すれば、最大3億回分の供給を受けることで合意していた。
EMAは1日、アストラゼネカとオックスフォード大が開発中の新型コロナワクチンの逐次審査を開始したことを明らかにした。ビオンテックとファイザーのワクチンについても、成人を対象とした初期の治験で免疫反応が確認されたことから、同審査の対象とする。