スウェーデン通信当局の郵便電気通信庁(PTS)は20日、次世代移動通信システム「5G」の通信網整備で、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)の機器を使用することを禁止すると発表した。欧州では英国に次ぐファーウェイ締め出しとなる。
PTSは軍と情報機関の勧告に基づき、5Gからのファーウェイ、ZTE排除を決めた。11月に実施される5Gの周波数帯域割り当て入札に参加する携帯電話サービス会社は、両社の機器を使用することが禁止される。さらに、これらの企業は既存の通信インフラで使用している両社製品を2025年1月までに排除することを求められる。
米国はファーウェイの機器に安全保障上のリスクがあるとして、同盟国に5Gから同社を排除するよう働きかけており、欧州では英国が7月、通信会社が2021年以降に同社製品を新規購入することを禁止し、27年までに5G通信網から完全排除すると発表していた。フランスも同調する方針とされる。
ファーウェイは声明で、「当社の製品が安全保障上の脅威という主張を裏付ける根拠はない」として、スウェーデンの決定に反発している。
欧州で5Gからのファーウェイ排除が進めば、ライバルのエリクソン(スウェーデン)、ノキア(フィンランド)にとって追い風となる。ノキアは9月末、英通信大手BTグループと5G向けの無線アクセス機器の供給契約を結んだと発表したばかりだ。ただ、中国政府が対抗措置として、国内から欧州通信機器大手を締め出す可能性も取りざたされている。