三菱パワー―SOFCを海外初受注、独研究機関に納入へ―

三菱パワーは10月29日、独西部のエッセンにあるガス・熱研究所(GWI)から個体酸化物形燃料電池(SOFC)「MEGAMIE」を受注したと発表した。SOFCの海外受注獲得は初めて。2021年夏に着工し、22年3月までに稼働を開始する。

MEGAMIEは電気や熱を供給するだけでなく、既存の電力網から独立した分散型電源としても利用できる。大規模なオフィスビルや病院、約300戸の住宅に電気と熱を供給する能力を持つ。また天然ガス、バイオガスに加え、電気の脱炭素化に寄与する水素を利用できる。小型であることからら、既存の電力・熱供給システムに最適に組み込むことも可能だ。

GWIでは天然ガスからバイオガス、水素まで、さまざまな燃料に柔軟に対応できるハイブリッド型の同SOFCの運用性や、水素を燃料ガスとして混合利用することなどについて、実環境下で研究が行われる。GWIのディレクター、クラウス・ゲルナー氏は「再生可能エネルギーの割合が高いエネルギーシステムでは、日照や風況により発電量が左右されるため、環境に配慮した方法で、確実かつ迅速に電気と熱を供給できる発電所が不可欠です」と述べた。

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