医薬品製造機器や実験室用機器の有力企業である独ザルトリウスは2日、スロベニアのバイオテクノロジー企業BIAセパレーションズの買収を完了したと発表した。取引額3億6,000万ユーロのうち2億4,000万ユーロを現金で、1億2,000万ユーロをバイオ製薬子会社ザルトリウス・ステディム・バイオテック株で支払った。両社はまた、業績に応じて報酬を支払う「アーンアウト」を今後5年で3度実施することでも合意している。
ザルトリウスはBIAをザルトリウス・ステディム・バイオテックに統合する。同社の分離精製技術を獲得することで、遺伝子治療などの先端医療ポートフォリオを強化する。120人の従業員はザルトリウスに移る。
BIAは1998年の創業。西部アイドフスチーナに本社を置き、細胞・遺伝子治療など先端医療に用いられるウイルス、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)といった生体分子の分離精製技術を手がける。今年の売り上げ見通しは2,500万ユーロ。今後数年に渡り二ケタ成長が予想されている。
ザルトリウスは過去にも自社技術を補完する技術の定期的な獲得により事業の強化を図ってきた。世界60カ所に製造販売拠点を持ち、9,000人強を雇用する。2019年の売上高は18億3,000万ユーロだった。