本格的ロックダウン導入か、ザクセン州は小売店の営業を禁止

本格的なロックダウン(都市封鎖)がドイツで実施される可能性が高まってきた。11月に導入した緩やかなロックダウンでは新型コロナウイルス感染症の流行を抑制できないことが鮮明になっているためで、同国東部のザクセン州政府は8日、週明けの14日から規制を大幅に強化することを決めた。他の州にも同様の動きが出ている。

同国では11月2日にロックダウンが再導入された。サービス事業者と小売店の大半が店舗営業を禁止された春のロックダウンに比べると規制が緩いことから、「ロックダウン・ライト」と呼ばれている。厳しい規制を見合わせたのは、経済への影響を可能な限り抑制したいという思惑があるためだ。

だが、所期の狙いは達成されず、感染者数は高止まり。ロベルト・コッホ研究所(RKI)の9日の発表によると、8日の感染死者数は過去最高の590人を記録した。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数もこれまでで最大の148.8人となり、危険水準の最低ライン(同50人)の約3倍に達した。

ザクセン州は人口10万人当たりの新規感染者数が断トツで多く、315人に上る。これまでよりも踏み込んだ措置を取らなければ状況は改善しない見通しのため、州政府は14日から4週間、学校や幼稚園を閉鎖し、食料品店・ドラッグストア・薬局を除く小売店の実店舗営業も禁止する。また、屋外でのマスク着用義務付け、公共の場での飲酒を禁止する。

大半の小売店の営業を禁止するのは、多くの店が営業していると消費者の外出を誘発し感染拡大につながるためだ。ミヒャエル・クレッチュマー州首相は「コロナの状況は春よりも厳しい」と述べ、理解を求めた。

独南部のヘッセン州では人口10万人当たりの新規感染者が200人を超えた地域を対象に11日から夜間(21~5時)外出を原則禁止する。また、公共の場での飲酒は終日、禁止する。

ミュンヘンを州都とするバイエルンでも不要不急の外出が9日から禁止された。新規感染者数200人超の地域では通勤や緊急通院などを除き21時~5時の外出が禁止となっている。

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