コンチネンタル―「構造転換の勝ち組に」―

自動車部品大手の独コンチネンタルは12月16日、新事業戦略を発表した。自動車業界の構造転換と二酸化炭素(CO2)排出規制の強化に積極的に対応することで競争力を高めることが狙い。ニコライ・ゼッツァー最高経営責任者(CEO)は「モビリティ産業の構造転換の勝ち組になる」と強調した。

競争力の強化に向けて◇将来性と成長力の高い技術分野を重点強化し差別化を図る◇炭素中立(カーボンニュートラル)の実現に積極的に取り組む◇コスト構造を改善する――の3本柱を打ち出した。

将来性と成長力の高い分野としては、コネクテッドカー・運転アシスト・自動走行、ソフトウエア、高性能コンピューター搭載の新しい車両アーキテクチャー、成長地域でのタイヤ・ゴム製品事業、デジタルソリューションとサービスを挙げた。同社はこれらの分野に投じる資金を確保するために、セキュリティソリューションや表示・操作システムなど成熟分野の事業で競争力を維持・強化する考えだ。買収や事業の売却・合弁化も視野に入れている。パワートレイン子会社ヴィテスコ・テクノロジーズのスピンオフは予定通り2021年に実施する考えを明らかにした。

炭素中立は50年までに実現する。第一弾として電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、電車、その他のゼロエミッション車向けの事業でCO2の排出量を22年から実質ゼロに抑制する意向だ。

コスト構造の改善に向けては19年発表の長期計画「トランスフォーメーション2019~29」で従業員の1割を削減する方針を打ち出した。生産施設の統廃合や生産のデジタル・自動化などを推し進めている。

コンチネンタルはこれらの措置により、中期的に売上高営業利益率(調整済みのEBITベース)で約8~11%、使用資本利益率(ROCE)で約15~20%を実現する目標だ。内部成長ベースの売上成長率については市場平均を約2~4ポイント上回る年約5~8%を目指す。

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