アストラゼネカのワクチン、英が接種開始

英国で12月30日、英製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した新型コロナウイルスのワクチンが承認され、1月4日に接種が開始された。同ワクチンの承認、接種開始は世界初となる。さらに8日には米モデルナが開発のワクチンも承認され、12月初めに承認された米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬品会社ビオンテックが共同開発したワクチンと合わせて、計3種のワクチンが投与される。

アストラゼネカのワクチンは2種類のモノクローナル抗体を組み合わせたもの。最終段階の臨床試験(治験)で平均70%の効果が確認されていた。

英国では12月2日、米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬品会社ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンが世界で初めて承認され、8日から接種が始まった。アストラゼネカのワクチンはファイザー連合のワクチンと比べて安価で、しかも通常の冷蔵庫で保管できるという利点がある。

英政府は1億回分を調達する契約を結んでいるが、4日時点で確保しているのは53万回分にとどまっている。このため、通常は21日の間隔を空けて2回接種するが、間隔を12週間に延ばし、高齢者など優先度が高い人の多くが早く1回目の接種を受けることができるようにする。政府は1回の接種でもかなりの効果があるとしている。

モデルナのワクチンは米国、カナダ、イスラエル、EUが承認済み。英政府は700万回分を調達する契約を結んでいた。保健省は8日、追加で1,000万回分を調達することで合意したと発表した。

英国は2月中旬までに、高齢者や医療従事者など約1,500万人にワクチンを接種する計画。ハンコック保健相によると、これまでに約150万人が接種を受けた。モデルナのワクチンは米国外での量産体制が確保されてから英国に供給される予定で、接種開始は春以降となる見込みだ。1,500万人に優先的に接種する計画には間に合わないが、その後の大規模接種に利用される。

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