電動キックボードのフリーフロート型シェアサービスを手がける独ウインドがフランクフルト市でのサービスを2月末までに終了する。ドイツの他の都市ではすでにサービスを停止しており、同国市場から撤退することになる。同社への取材をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が15日、報じた。
ドイツでは電動キックボードの公道走行が2019年6月に解禁された。これに合わせてティーア、バード、ライムといった事業者が市場参入。主要都市では電動キックボードを日常的に見かけるようになった。多くの事業者が参入したことから、淘汰の波が起こるのは当初から時間の問題とみられていた。
ウインドはベルリンに本社を置く事業者で、20年春に独市場参入を果たした。だが、新型コロナウイルスの流行と在宅勤務の利用拡大で当初から苦戦。気温が低下した秋以降は状況が一段と厳しくなり、すでにヴィースバーデン市と隣接するマインツ市から撤退していた。フランクフルトで使用している電動キックボードは今後、イタリアやイスラエルなど温暖な地域に輸送。フリーフロートサービスに用いる。
同社は中国製の電動キックボードを輸入し、フランクフルト国際空港近くのランゲン市にある倉庫から欧州各地のサービス地域に輸送している。ランゲンを今後も欧州のハブ拠点にとどめるかどうかは数カ月以内に決定する。本社はベルリンにとどめる考え。現時点でドイツ市場に再参入する計画はない。