アカゾール―車部品のボルグワーナーに身売り―

リチウムイオン電池システム製造の独アカゾールは15日、自動車部品大手の米ボルグワーナーに自社を売却することで合意したと発表した。ボルグワーナーが持つ世界的な事業網を活用して成長を加速させる狙い。アカゾールは身売り後も独立会社として活動し、「アカゾール」ブランドも保持する。

ボルグワーナーは株式公開買い付け(TOB)を通してアカゾールを買収する。買収価格は1株当たり現金120ユーロで、前営業日(12日)までの3カ月間の加重平均株価を23.4%上回る。50%超の株式確保をTOBの成立条件としている。同計59.4%を持つスフェン・シュルツ社長と他の創業者はすでにTOBに応じることを確約しており、TOBが成立するのは確実。

アカゾールはダルムシュタット工科大学の教員と学生が1990年に設立した非営利団体を出発点としている。営利企業となったのは2008年。トラック、バス、電車、船舶など幅広い用途に製品を供給している。18年にフランクフルト証券取引所で新規株式公開(IPO)を果たした。今年は売上高で約1億2,500万ユーロを見込む。24年までに4億ユーロ以上に拡大する目標だ。

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