ドイツ銀行―6期ぶり黒字転換、投資銀部門がけん引―

独銀最大手のドイツ銀行が4日発表した2020年12月期暫定決算の株主帰属の純損益は1億1,300万ユーロの黒字となり、前期の赤字(57億1,800万ユーロ)から大幅に改善した。黒字計上は2014年以来で6期ぶり。投資銀行部門が好調で全体が押し上げられた。税引き前損益も26億3,400万ユーロの赤字から10億2,100万ユーロの黒字へと転換している。

投資銀部門は税引き前利益が31億7,100万ユーロに達し、前期の5億200万ユーロから6倍以上に拡大した。債券・通貨取引と発行・コンサルティング事業が好調だったことが大きい。リテール部門はコロナ禍を受けて貸倒引当金を前期の3億4,400万ユーロから7億1,100万ユーロへと大幅に増やしたことから1億2,400万ユーロの赤字となった。

税引き後損益は6億2,400万ユーロの黒字だった(前期は52億6,500万ユーロの赤字)。株主帰属の純利益が税引き後利益を大幅に下回るのは、劣後債の利払い費がかさんだため。劣後債は法律上、自己資本に分類されることから、同行は劣後債の利払い費を税引き後利益の後の段階で計上している。

12月末時点の狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は前年同日と同じ13.6%だった。

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