欧州委員会は8月24日、米バイオ医薬品大手モデルナと新型コロナウイルス用ワクチンの調達をめぐる予備的交渉を終えたと発表した。欧州連合(EU)によるコロナ用ワクチン調達が決まったのは5社目となる。
モデルナはメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナのワクチン開発を進めている。欧州委は臨床試験でワクチンの有効性と安全性が確認されれば、まずEU加盟国向けに8,000万回分を確保する。追加で8,000万回分を調達する権利も持つ。
欧州委は6月中旬に発表した「EU ワクチン戦略」で、すべてのEU市民に12~18カ月以内に新型コロナ用ワクチンが行き届くようにするため、最大27億ユーロを投じて有望なワクチンを事前に確保する方針を打ち出した。これに基づき、これまでに英グラクソ・スミスクライン(GSK)と仏サノフィの連合から3億回分、英アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)からそれぞれ最大4億回分、独キュアバックから2億2,500万回分を調達することで合意していた。
GSKとの合意では、同社のワクチンが承認された場合、欧州委がまず3億回分を買い取り、さらに1億回分を追加購入する権利を持つ。欧州委と同社は27日に正式契約し、前払い金として3億3,600万ユーロが支払われた。
コロナ用ワクチン調達をめぐる製薬会社との正式契約は初めて。契約額は明らかにしていない。