ロシアの大学研究チーム、がん治療の新薬候補を発見

ロシア・チュメニ大学の国際科学者チームが、抗がん効果のあるニッケル複合体2種を発見した。現在、治療に使われている白金製剤に比べて安価なうえ、薬剤耐性が生じにくいと期待されている。

専門誌『ニュージャーナル・オブ・ケミストリー』に掲載された論文によると、新たに合成したニッケル複合体2種が、イン・ビトロ(in vitro、実験室での試験)の段階で、肺がん細胞の「自滅(アポートシス)」を導く細胞毒性があることが確認された。複合体の有機成分はヒドラゾン誘導体で、ニッケルがその効果を強める働きをする。

ニッケルは白金に比べて分子構造が複雑で、構造・特質を変えやすい。このため、がん細胞が耐性を獲得しにくい、あるいは副作用を引き起こしづらい形に操作しやすいという。

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