韓国の化学製品大手ドンファが、ハンガリーに同社として欧州初となる電解質生産拠点を開設する。ハンガリー投資促進公社(HIPA)が3日明らかにしたもので、首都ブダペスト近郊のショークートではすでに工場建設が進んでいる。投資額は110億フォリント(3,210万ユーロ)。90人の雇用を計画する。
ショークート工場では主に電気自動車(EV)用バッテリー向けの電解質を生産する。1万3,000平方メートルの敷地に電解質生産施設(5,400平方メートル)や、リチウムイオン電池の製造工程で溶剤として使用されるNMP(Nメチル2ピロリドン)のリサイクリング施設(7,200平方メートル)を設ける。これにより持続可能な生産を実現し、低コスト化を図る。
ハンガリーにはサムスンSDIやSKイノベーションなど韓国企業がリチウムイオン電池の生産拠点を構える。サムスンSDIは今年初めにブダペスト近郊のゲド工場の拡張計画を発表し、SKイノベーションも北西部コマーロムの第2工場の拡張を検討しているもようだ。ドンファは現地サプライチェーンで重要な役割を担うとともに、欧州市場での事業拡大を狙う。(1HUF=0.35JPY)