エストニア議会、議事録作成に音声認識ツール活用

エストニア議会で14日、議事録作成に音声認識技術が組み込まれたシステム「Hans」が導入された。作成作業の迅速化が目的だ。まずは本会議で活用し、将来的には委員会審議にも導入する。

「Hans」は、エストニアのIT企業ファイネストメディアがタリン工科大学の音声認識技術を用いて開発した。速記者に代わり、演説・質疑応答などを音声ファイルとして記録し、認識プログラムが文字化する。最終的には、編集者の校正を経て、国会のホームページで議事録として公開される。

サクス議会事務局長によると、発案から導入まで2年を要した。今後もシステムの改善・開発が続けられるという。

ファイネストメディアのエスコ部長は、裁判所や刑務所、警察のほか、保健、研究、報道分野でも「Hans」の用途があるとみる。また、国外の需要も見込む。

タリン工科大学言語技術ラボのアルメエ所長は、「15年にわたる研究の甲斐あって、エストニアではすでに放射線科医師、研究者、記者などが音声認識技術を実際に使っている。また、誰でもインターネット上(tekstiks.ee)で音声認識ソフトを無料で利用できる。エストニア語は話者が少ないが、言語技術の水準は比較的高い」と話している。

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