リトアニアと米国の両政府が次世代移動体通信(5G)向けインフラ開発で提携する。訪米中のリンケイツィウス外務相が16日、ポンペオ米国務長官と提携覚書に調印した。米国はすでにエストニア、ラトビアと同様の提携で合意しており、リトアニアがバルト3国で最後の国となる。またポーランドとも契約済みだ。
米国政府はこれまで5Gネットワーク構築で中国通信大手の華為(ファーウェイ)を排除するよう北大西洋条約機構(NATO)加盟国などに求めてきた。ただ、今回の提携覚書には特定の国や企業名は言及されておらず、発注にあたり5G技術プロバイダーが中立的な法監視機関を持たない外国政府の管理下にないかどうか審査するということが盛り込まれている。
リトアニアの軍事諜報機関は2月初めに発表した2020年国家脅威評価レポートで、中国が投資、スパイ活動、サイバーセキュリティ、軍事などの分野で脅威となっていることを指摘。ファーウェイを5G網インフラの開発に参加させることはセキュリティ上のリスクだとの見方で、同社や他の国営企業が中国諜報局と情報を共有するリスクを指摘している。中国側は在リトアニア大使館がこの見方に激しく抗議するとともに、ファーウェイもこの批判を否定している。