ロシア中央銀行は18日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を4.25%に据え置いた。金利据え置きは予想通り。中銀は前回まで3会合連続で利下げを実施していた。新型コロナの流行により縮小した経済が回復傾向にある一方、インフレ率が予想を超えて高進していることから、さらなる利下げを見送った。
同国の8月のインフレ率は通貨ルーブル安と内需の回復を受け、前月(3.4%)を0.2ポイント上回る3.6%に拡大した。インフレ率の上昇は3カ月連続で、5月からの上げ幅の合計は0.6ポイントに達する。これについて中銀は、コロナ後の制限緩和や支援措置により短期的にはインフレ期待が高まるものの、中期的にはディスインフレ傾向が再び強まると指摘。今後の予測について、今年末は3.7~4.2%、来年は3.5~4%とし、その後は4%近くで推移するとみる。
国内総生産(GDP)は4-6月期(第2四半期)に8%のマイナス成長となったが、下げ幅は予想よりも小さかった。中銀は、外需の弱さが足かせとなっているものの、直近の利下げ措置により内需が回復しており、来年にかけて経済を下支えするとの見方を示した。
中銀は声明で、状況が基本予測に沿って進む場合にはさらなる追加利下げを行う姿勢を明らかにした。