エストニア中銀、デジタル通貨導入に向けた技術調査を開始

エストニアの中央銀行であるエストニア銀行は2日、テクノロジー企業のガードタイムおよびSW7グループと提携し、電子政府の核を構成する技術が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の運営に適しているかどうかを調査すると発表した。欧州中央銀行(ECB)がCBDCの導入検討を本格化しているのに連動するもので、まずは2年後をめどに、CBDCの要件を満たすプラットフォームの構築方法を見出す目標だ。

エストニア銀によると、調査では(1)電子政府の核となるKSIブロックチェーン技術がデジタル通貨インフラの運営に応用できるかどうか(2)電子身分証明などエストニアの電子政府ソリューションを用いた新しい決済技術が開発できるか――を検討する。(2)では特定の技術にとらわれず、すべての技術を勘案して検討を進めていく。

2社との共同調査は長期にわたって進めることが予定されるが、第一段階として、CBDCの運営に向け、速度、安全性、個人情報保護、復元力といった要件を満たしたうえで、拡張可能かつ実用に耐え、暗号論的に安全なプラットフォームの構築方法を見出すことが目標とされる。

世界では金融分野のサービスやテクノロジーが急速に発展したところにコロナ危機が加わったことで決済のデジタル化が進み、消費者の決済形態が変化した。このため、CBDCの導入を検討し、使用に適した技術を調査する中央銀行が増えている。

欧州中央銀行(ECB)も先ごろ、「CBDC発行の利点と欠点」および「デジタル通貨ソリューション」に関して、ユーロ圏諸国の中央銀行による協同調査実施を決めている。

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