ロシアで今月初めから、船舶自動航行システムの試験運用が始まった。サンクトペテルブルク市、レニングラード州、アストラハン州、カリーニングラード州、マガダン州、ムルマンスク州、ロストフ州、サハリン州、クラスノダル地方、沿海地方、ハバロフスク地方で2025年末まで実施する。その結果を踏まえ、商工省が自動・遠隔管制システムの生産・設置計画を策定する予定だ。
国家技術イニシアチブ(NTI)に基づく「海上輸送の知的制御システム実用化」を担当するマリネット(MariNet)産業センターによると、来年からロシア籍の商船・作業船が自動航行システムを搭載・使用できるようにするのが大きな目標となる。システムの技術プラットフォーム開発には、サンクトペテルブルクのエンジニアリング企業クロンスタット・テクノロジーズが取り組んでいる。
マリネット産業センターでは、今後5~10年の間に世界で自動運航船の導入が急速に進み、船会社のコストが15~30%縮小すると見込んでいる。
一方、モスクワ市運輸・道路インフラ開発局とIT大手ヤンデックスは、路面電車の自動運転試験を実施する予定だ。自動車、トラック、バス、配達ロボットなど、すべての交通手段で使える汎用自動運転システムの開発に役立てる狙い。
トラムで実用化されれば、年中無休での運行が可能になる。また、事故原因の70%が人為ミスであるため、事故防止にも役立つと考えられている。