ロシア中銀、仮想通貨発行を検討

ロシア中央銀行は13日、デジタル通貨に関する報告書を発表し、ルーブル建ての中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討していることを明らかにした。利用者が通貨を電子財布(ウォレット)に自由に出し入れしたり、モバイル機器で利用したりすることで利便性が高まるとみている。中銀は、デジタル通貨は現金と非現金取引の双方の利点を併せ持つとしている。

中銀のザボトキン副総裁によると、ロシアの小売業と政府部門における非現金決済の割合は69%となり、前回調査の39%からほぼ倍増した。報告書では、CBDCの導入により資金の移動が容易になり、迅速化されることから金融業のイノベーションと競争促進につながるほか、政府関連事業で支出された資金の動きを追いやすくなるとしている。

同副総裁はまた、CBDCの流通について、利用者が中銀に決済口座をじかに開設する場合と、中銀が市中銀行を介して市民に通貨を供給する場合の2つの可能性を示した。

デジタル通貨を利用する際の情報の秘匿性について同報告書は、CBDCを現金や民間の仮想通貨同様に匿名で使用することはできないとする一方、デジタル通貨を用いた取引で必要とされる情報は既存の決済システムに比べ限られたものになるとしている。また一度に入手できるデジタル通貨の金額には現金同様制限が設けられる予定だ。

同報告書は中銀の関連部局が協力して作成したもので、CBDCの基本的な性格を解説するとともに、同行の今後の取り組みの方向性を示している。

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