ラトビア、軍用5G技術の試験場を開所

ラトビア軍は12日、第5世代(5G)移動通信システムの通信網を完備した試験場の運用を開始した。5Gを活用した軍用技術をテストする目的で、この種の施設が稼働するのは欧州で初めて。移動体通信サービス大手LMTが整備・運用で協力している。

5G試験場は北大西洋条約機構(NATO)の多国籍軍も常駐する、中部のアーダジー基地に設置された。国内だけでなく、NATO加盟諸国における軍用5G技術の開発を促進する狙いだ。高機能センサーや防衛システム(無人ソリューション)などの開発を念頭に置いている。

具体的に試験が予定されているのは(1)医療訓練用のVR(仮想現実)/AR(拡張現実)ヘッドセット(2)ドローン支援システム(3)ラトビア軍向けのコンピュータービジョンおよびセンサーソリューション――の3技術だ。いずれもラトビア企業が開発した。特に注目を集めているのは(1)で、エクソニクス(Exonicus)がVR外傷診療プログラムを、ライトスペース・テクノロジー(LightSpace Technologies)がヘッドセットを担当した。

5Gは通信データの遅れが極めて小さく、リアルタイムで大容量データを転送できる。このため、端末に格納されるデータが少なくなり、軍用でも装置の小型軽量化が進むと見込まれている。

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