ロシアEC大手オゾン、年内にナスダックへ上場

ロシアの電子商取引(EC)2位オゾン(Ozon)が年内にも米国預託証券(ADS)を米ナスダックへ上場する計画だ。時価総額を46億~56億ドルと見込み、7億5,000万~10億米ドルの調達を目指す。18日にも投資家向け説明会(ロードショー)を開始する。ADSの一部はモスクワ証取でも公開される見通しだ。

消息筋2人の情報として17日の英『フィナンシャル・タイムズ』紙が伝えたところによると、調達規模は当初5億ドルと見込まれていたが、EC株の需要拡大を背景に見積もりを大幅に引き上げた。

ロシアはインターネットのアクティブユーザー数が9,500万人と欧州で最も多い。それでも、国土の広さなど物流面での難しさから小売売上高に占めるECの割合は10.9%に過ぎない。

しかし、新型コロナによる春のロックダウン(都市封鎖)でECの利用者が大幅に増加。EC市場は上期に前年同期比51%の成長をとげた。

小売市場全体が昨年の33兆6,000億ルーブル(4,360億ドル)から2025年までに46兆2,000億ルーブル(5,950億ドル)へ拡大すると予想される中、ECの急成長を見込んで市場競争も激しくなっている。ワイルドベリー、オゾン、ヤンデックスのトップ3社の市場シェアは合計18%に過ぎず、アリエクスプレス・ロシア(メール.ruと中国・アリババの合弁会社)の始動、金融最大手ズベルバンクの業界参入予告と、各社の動向に注目が集まる。(1RUB=1.36JPY)

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