トルコ中央銀行は19日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を4.75ポイント引き上げ、15%とすることを決めた。利上げは2カ月ぶりで、今年2回目。エルドアン大統領の意向をくんだ低金利政策で通貨リラ安、高インフレ、経常赤字の悪化が続くなか、インフレ期待の抑制と金融安定化をはかるため大幅な利上げに踏み切った。
同国の10月のインフレ率はリラ安や食料品価格の高騰を受け、前月を0.1ポイント上回る11.9%に拡大。足元の11月も上昇傾向を示している。中銀は声明で、インフレ期待を抑制してディスインフレの傾向を回復させるため、強力な金融引き締め策を実施することを決定したと説明。持続的なインフレ率の低下が達成されるまで、引き締めを「断固として維持する」とした。
トルコでは11月に入って中銀総裁と財務相が相次いで交代し、中銀新総裁であるアーバル元大統領顧問の方針に注目が集まっていた。エルドアン大統領は「高金利がインフレを招く」を持論としており、これまで中銀は思い切った引き締め策を打てずにきた。今回中銀が大幅な利上げを行ったことで、金融政策の透明性を高めるとするアーバル新総裁の公約がひとまず守られた形だ。
中銀は昨年7月、2年10カ月ぶりの利下げを実施し、政策金利を24%から19.75%に引き下げた。その後も今年5月までに8回の追加利下げを実施。利下げ幅の合計は15.75ポイントに達した。