ズベル、AIマーケティングの新興企業に資本参加

ロシア国営の金融・テクノロジー大手ズベル(旧ズベルバンク)はこのほど、ブランド経営・管理ツール開発の新興企業ウォッチアウトAIの株式8%を取得した。昨年のシード投資(1,000万ルーブル)を株式に転換するもので、ウォッチアウトAIの時価総額を1億2,500万ルーブル(166万米ドル)と評価した計算になる。ズベルは同社の人工知能(AI)技術を組み込むことで、マーケティング・ソリューション事業「ズベル・マーケティング」の強化を図る。

ウォッチアウトAIは2019年の創業。コンピューター・ビジョンとマシンラーニング(機械学習)技術を用いて、ブランドイメージの悪化を防ぐツールを生み出した。ブランドに肯定的な脈絡でのみ広告が表示されるようにすることで、キャンペーンの費用対効果(ROI)が拡大し、ブランドに対する顧客のロイヤリティ(信頼・愛着感)を向上させられる。

経済紙『コメルサント』がウオッチアウトAIの共同創業者ヴィタリ・ソトニコフ氏への取材を基に伝えたところによると、同社のAIはブランドにネガティブな文章を96%の精度で認識できるという。

ズベルは昨年、スタートアップ企業支援事業の一環でウォッチアウトAIを見出し、シード投資として1,000万ルーブルを提供した。

ズベル・マーケティングは昨年、総合的サービスを提供する広告代理店事業として立ち上げられた。グループ内だけでなく外部の企業にもサービスを提供する。(1RUB=1.37JPY)

上部へスクロール