子供向け英語教育を提供するウクライナのエドテック・スタートアップ、オールライトはこのほど、シリーズA(アーリー期)のラウンドで500万米ドルを調達したことを明らかにした。調達資金は人工知能(AI)による講師の代替やグループレッスンのシステム構築に投じるほか、新市場の開拓やポーランド、スペイン及び中南米での事業強化に振り向ける。
今回のラウンドは同国のベンチャーキャピタル(VC)ジェネシス・インベストメンツが幹事として実施したもので、TMTインベストメントやTerraVCが新たに資金を提供するほか、既存投資家のフラッシュポイント、ゲーム開発メーカーの創業者で投資家のミーシャ・リアリン氏も増資に協力する方針だ。
2017年にオレグ・オクシュク氏によって設立された同社は4歳以上の子供を対象に、講師との対面授業のほかAIを利用した仮想講師による英語教育サービスを提供している。これまでにスペイン語、ポーランド語及びロシア語話者を対象とする講座を開設しており、提供する授業数は現在月間5万コマ、登録受講者数は9,000人に上る。
同社の授業は講師と生徒がAIの支援を受けながらオンラインでリアルタイムにやり取りできるのが特長だ。音声認識機能と音声合成技術を利用した仮想教師を相手に生徒が会話を行うレッスンもできる。直近ではモバイル端末を通した仮想教師による授業も開始しており、ユーザーの受講機会の拡大を図っている。
ジェネシス・インベストメンツは同社に投資する理由として、売上を1年で前年の3倍まで伸ばしたことや、世界の英語教育市場が2025年までに年率7%で成長すると予想されていることなどを挙げた。