EEU加盟国の開発銀行、提携協定を締結

ユーラシア経済連合(EEU)加盟国の大手開発銀行4行が4日、首脳会議が行われたモスクワで提携協定を結んだ。ロシアでの開発機関の改革に連動するもので、4行の業務を調整して投資の活発化、国際プロジェクトの促進、EEU諸国の統合推進を狙う。

協定に調印したのは、ロシア開発公社(VEB、旧ロシア開発対外経済銀行)、ベラルーシ開発銀行、カザフスタン開発銀行および、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア、タジキスタンが共同出資するユーラシア開発銀行(EDB)の4行。国際機関であるEDBが調整役を務める。

ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は首脳会議で、ユーラシア地域におけるデジタル化の重要性を強調。また、EEUで保証される「4つの移動の自由(モノ・サービス・資本・ヒト)」に5つめの自由として「情報」を加えるべきだと訴えた。

VEBのイゴル・シュヴァロフ最高経営責任者(CEO)は、EEUの前身である関税同盟の結成から10周年を迎えたことに触れ、「金融や石油・天然ガス、エネルギーといった重要な業界を含めて、2025年までにEEUの市場統一を完結させるべき」と話した。

ロシアは開発政策の効率化に向け、関係機関の数を大幅に減らしたうえで、その多くをVEBの管理下に置いた。VEBはこれまでに、EEUの統合に向けたプロジェクトに総額700億ルーブル(10億米ドル)を投資してきた。これには、ベラルーシ原発新設計画への融資及び建設請負やカザフスタンへの鉄道車両供給など、ロシア産工業製品の輸出支援が含まれる。(1RUB=1.42JPY)

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