ロシアのIT大手ヤンデックスが先月、国内の遺伝子検査企業ジェノテック(Genotek)に投資していた事実が、現地のメディア報道で明らかになった。ヤンデックスは今回の投資ラウンドでリード・インベスターとなり、ジェノテックが400万米ドルを調達するのに貢献したという。ヤンデックスを除く投資家の名前は明らかにされていない。ジェノテックの経営権は現在も創設者であるヴァレリー・イリンスキー、アルテム・エルムラトフの両氏が握っているという。
ジェノテックのイリンスキー氏によると、今回の調達資金は研究開発(R&D)・販売事業に投じる。すでにヤンデックスと供給事業の強化、データ加工、顧客とのコミュニケーションの自動化などで提携を始めている。遠隔医療・教育サービスなど、他の分野でも両社の関心が一致するところがあるという。
ジェノテックは2010年の創業。「ロシア及び欧州の遺伝学・医薬品分野における主要な研究機関」と提携し、「16カ国の顧客数千人と取引がある」という。
過去にジェノテックに投資した人物・企業としては◇アントン・スタルスキー氏のルスターズ・ベンチャーズ(2013年:50万ドル)◇アレクサンドル・ヴォロシン元大統領府長官及びルスアグロのマキシム・バソフ氏(16年:200万ドル)◇ロシア医薬品大手のファーマスタンダード(17年:100万ドル)――が知られている。