ルーマニアが予想外の利下げ、主要政策金利1.25%に

ルーマニア中央銀行は15日の臨時金融理事会で、市場予想に反し、主要政策金利を従来の1.5%から1.25%へ引き下げることを決定した。利下げは新型コロナの流行が始まってから4回目。低インフレや、他の中東欧諸国の中銀がさらなる金融緩和を検討していることを考慮すれば理屈に適っている反面、コロナ危機が長引いた場合にとれる対策が少なくなる。ロンバート金利(貸出金利)と預金金利もそれぞれ0.25ポイント引き下げ、1.75%、0.75%に設定した。

ルーマニアのインフレ率(前年同期比)は10月の2.24%から11月には2.14%、12月には2.06%へ低下し、2019年12月の4.04%から1.98ポイントと大きく下落した。

7-9月期の国内総生産(GDP)は農業生産高が足を引っ張ったものの、前年同期比5.7%減と、ロックダウン(都市封鎖)の影響が大きかった4-6月期(10.3%減)よりも下げ幅が大幅に縮小した。GDPをけん引したのは個人消費。設備投資も穏やかながら増加傾向が続いた。輸出入では、輸出の伸びが輸入の伸びを上回り、貿易赤字が前年同期よりも縮小した。一方、経常収支は再び悪化に転じた。

中銀は昨年3月、5月、8月に利下げを実施。今回の追加利下げで下げ幅は合計1.25ポイントに達した。中銀はまた、11月にも預金準備率を引き下げる形で緩和を実施している。

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