ロシアの国営テクノロジー企業ロステックが、国内の第5世代移動通信システム(5G)の整備に設備メーカーらと企業連合を組んで取り組む考えだ。現地紙『ベドモスチ』が同社の特別プロジェクト担当取締役ブロヴコ氏の談話として報じたもので、すでに10社と合意しているという。5G網の各構成要素の開発を各社に委ねることで、効率的で収益性の高いソリューションが採用できるとみている。
ロシアの5G導入にかかる総コストは『ベドモスチ』によると、周波数割り当て領域が3.4~3.8ギガヘルツの場合、通信プロバイダーが結束して取り組めば554億ルーブル(約7億3,200万ドル)、それぞれ独自に行えば1,610億ルーブル(21億ドル)との試算がある。
ただ、ロシアでは同周波数領域が現在、軍事衛星通信用に使われているため、5Gへの割り当てが4.8~4.99ギガヘルツ領域となる可能性がある。この場合、2027年までに2兆ルーブル(130億ドル)という膨大な投資が必要になるという。通信会社も5Gへの投資には慎重な姿勢だ。現地信用格付け会社AKRAは、ロシアが5Gをスタートするのは2024年以降と見ている。(1RUB=1.42JPY)