ロシア中央銀行は12日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を4.25%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4会合連続。経済がコロナ禍の打撃から立ち直りつつあるものの、インフレ率の上昇に歯止めがかからないことから利下げを見送った。
同国の1月のインフレ率は通貨ルーブル安と食品価格の上昇を受け、前月を0.3ポイント上回る5.2%に拡大した。インフレ率の上昇は8カ月連続で、5月からの上げ幅は計2.2ポイントに達する。中銀は、2021年は3.7~4.2%、その後は4%近くで推移するとみる。
国内総生産(GDP)は10-12月期に前年同期比3.1%減となったが、下げ幅は前期の3.4%から縮小した。中銀は2021年の成長率見通しを3~4%と予測している。
中銀は声明で、新型コロナの変異種の蔓延や欧州連合(EU)による制裁の可能性が価格上昇圧力をもたらすことになると指摘。インフレ期待は依然として高いままだとした上で、状況が基本予測に沿って進む場合、インフレ期待の抑制と経済振興を両立させる「中立的」な金融政策に移行する可能性を示した。