ドイツ連邦統計局が22日発表した2020年の鉱工業生産高は物価・営業日数調整後の実質で前年比10.8%減(暫定値)と大幅に落ち込んだ。コロナ禍の直撃を受けた格好。特に4月と5月は前年同月比の減少幅がそれぞれ29.7%、23.4%と大きかった。その後は回復が続き、12月は同1.0%まで縮小した。
主要部門のなかで20年の減少幅が特に大きかったのは自動車・自動車部品で、25.0%に達した。4月は84.3%減、5月も52.7%と両月の低迷が目立つ。12月は減少幅が1.0%にとどまった。
機械も20年の減少幅が13.8%と大きかった。4月は28.6%減と減少幅が自動車業界に比べ小さかったものの、12月時点では10.3%と大きい。
金属業界は川下の需要減を受けて減少幅が大きく、金属製造・加工は前年を13.3%、金属製品も同11.6%下回った。このほか、コロナ禍の影響が特に強かった衣料品で20.0%減、革・革製品・靴で17.6%減と2ケタ台の落ち込みとなった。石炭採掘はドイツの石炭発電廃止政策など脱炭素化の流れを受けて16.7%縮小した。
一方、医薬品は0.5%減、化学は1.1%減、食品・飼料は2.8%減と小幅な落ち込みにとどまった。
20年の鉱工業売上高は物価・営業日数調整後の実質で前年を10.1%下回った。国内が8.3%、国外が11.9%の幅で減少した。